センチメンタルな七夕
20年前の七夕、柳川へ行った。
竹中直人さんの「東京日和」を観て、
日本のベニスを見に行った。
まだ結婚する前、
彼氏だった旦那っちとふたりで。
七夕らしいことは特に何もしなかっけど、
その時に行った旅行は特別に感じる。
柳川の川下り。
たまたま二人きりで貸切状態だった。
それがさらに映画の世界を思わせた。
旦那っちが撮ってくれた1枚。
お気に入りの写真の1枚。
もう20年も前の話。
結婚した後はいつか子ども達と来ようね。
そう言ってた。
その後、旦那っちは独身最後の夜に
荒木経惟さんに偶然会う。
引きの強い旦那っちがそこにはいた。
私はもう柳川には行かないのだろうか。
私の行きたいところに連れて行ってくれる。
わがままに付き合ってくれる。
迷ったって楽しめる。
文句だっていっぱい言える。
不安は1ミリもない。
そんな場所があったのを知ってしまった。
そんなフワフワ暖かい場所はもうない。
雲みたいに消えてなくなった。
星は見えない。
短冊には何も書けなかった。