今日が人生最後の日

大好きな旦那っちに逢いに行くその日まで。。。

隣で寝られる最後の日

今は夢の中なのか、現実なのか。

病院から電話がかかってきたのが、昨日のことのようにも感じるし、ずーっと前のことのようにも感じる。

時間の概念がない世界。

時間の流れ方が、私たちだけ違う。


旦那っちと一緒にいられる最後の日。


急に襲ってくる行き場のない思い。

何でこんなことになったの?

私のせい?

なんで?なんで?


仕事、家事、育児で疲れてた私は、

旦那っちのことまで面倒見れなかった。

むしろ手伝って欲しいと思ってた。

今思えば気にかけてあげればよかった。

涙がこみ上げてくる。。。


あ、でもチョコレート作らなきゃ。

もうすぐバレンタイン。

そう思った瞬間、

急にスイッチが切り替わる。

旦那っちがここにいられる時間は、

カウントダウンが始まっている。

泣いている場合じゃない。

急がなくっちゃ。


姫とチョコレートを作って、

旦那っちにプレゼントした。

ハートとネコちゃんチョコレート。

美味しいかは別として。。。


チョコをプレゼントした後は、

大好きだった音楽を聴いた。

今まで聴いていた音楽。

ずっとずっと好きだった。

初めてライブに連れて行ってくれたのは

旦那っちだった。


今日はずっと一緒に聴こうね。

いっぱい聴き返した。

楽しかったことばかり。

何回行ったかな。

もっとライブ行きたかったよ。

今年だってきっとライブあるのに。。。


葬儀屋さんがご主人好きだったんですかって、お式のお経以外の時はかけてもいいですよと言ってくれた。


あんなに聴いていた歌が、

今までとは違う歌に聴こえる。

不思議だ。


ここにずっといてほしい。

眠ったままでいいから。

離れたくない。。。


自分の将来が見えなくなってしまった。

急に目の前から光が消えた。


闇。


どこに行っても行き止まり。

ゴツンゴツンて、おでこ打ってばかり。


おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒にいると思ってたから。老々介護になるからどうしようって考えてたのに。


もう。。。長生きしなくていいや。


死ぬのが怖くなくなっちゃった。


だって旦那っちに会えるから。


楽しみになってしまったよ、


死ぬのが。


あと40年くらいかな?


長すぎるよ。


もっと早い方がいいな。


怒られるかな。。。

こんなときに誕生日

母さん誕生日だね。また歳とったね。

王子が気づいて言ってくれた。

これから私だけが歳をとっていく。。。


王子は大学受験の真っ最中だった。

そんな中でこんな事態。


この日、センター試験の発表だった。

ダメだった。。。あーそうか。

一般で受かってればいいなと思っていたら、

あれ?あれ?って王子。

一般受かってる!

えっ?本当?!

やったー!って抱きあって喜んだ。

王子すごいよ、○○くん!

王子は旦那っちに自慢していた。


旦那っちのいとこが田舎から来てくれた。

兄弟も揃って賑やかだった。

旦那っちが大好きだったいとこや兄弟。

そこに旦那っちがいないことに気づいてしまった。

隣の部屋で眠っている。

話に入りたいだろうな。。。

悲しくなって涙が出そうになった。


王子がみんなに合格の発表をした。みんなからお祝いの言葉をもらい自慢げだった。

義母が旦那っちだって優秀だったと負けじと話をしていた。こういうカワイイ義母が私は大好きだ。


夜は王子の友達が来てくれた。久しぶりに話できて嬉しかった。ありがとね。

あとから友達ママも来てくれた。何もかわらないから、実感ないんだ。そう伝えた。

みんなが来てくれて、私の誕生日は寂しくなかったよ。


来年、まだ私が生きていたら、

○○くんと同い年になるのか。。。

眠ったままの旦那っち

明るくなって旦那っちの顔を見たら、

穏やかな顔になっていた。

やっと帰ってこれて、

一緒に眠れて安心したのかもね。


この日、私は比較的穏やかな気持ちで、

朝から王子と姫と三人で

枕団子とご飯の用意をしました。


お団子は六道へ行く旅のおとも。

私が説明書きをよく読んでいなかったため、

かなり小さなお団子を作ってしまいました。ヤべっ

旦那っちが何やってんのって

ツッこんだに違いありません。汗

王子に怒られ、余りのお粉でなんとか賄いました。

団子作りの名人王子に綺麗なお団子を丸めてもらい5つは丸いお団子、一番上に姫が作ったハートのお団子をのせました。

失敗作が沢山残ったため、証拠隠滅のために、みんなできな粉と黒蜜をかけて美味しく食しました。(内緒です)

旦那っちの枕団子にもきな粉と黒蜜をかけちゃおうかと思ったけど(好きだったから)、それは思い留めました。


ご飯はおっぺし盛です。

おっぺしって旦那っちがよく言ってたけど方言なのかな?我が家では大盛りにして欲しいときは、

「おっぺしで」と言っていました。謎

これも旅のお供、お弁当です。

ここは王子の出番です。

いまこそ真価が問われる時と高く積み上げていきます。綺麗に盛れてこのくらいかなというところで、ググってみると、高く盛れば盛るほど良いとされ、この世に未練が残らないようになるとあり、まだいけるとさらに盛り出しました。

それで終わりか?その程度か?と旦那っちに言われると思ったのか、さらに盛る。笑

ほぼ3合盛ったご飯に、最後姫にお箸をさしてもらいました。

これでお腹空かないよね。


葬儀屋さんの話には王子にも入ってもらうようにしました。義母が話に入ると押し切られてしまう。私は強く言えない。でも王子が譲れないところをはっきり言ってくれました。棺の大きさや分骨、位牌のこと決めてくれました。王子がいてくれてよかったです。


○○くん、あなたの息子とっても頼もしいよ。