削られていく
世帯主が亡くなると
手続きが山のようにある。
社会と繋がっている証だが、
いなくなれば
存在を消す作業が待っている。
頭が回らない中、
死にました。
という書類を何枚も書かされる。
死亡。
事故死。
配偶者なし。
何度も何度も。
容赦ない。
くそっ
て毒づきながら、
泣きながら書く。
心が削られてなくなってしまいそう。
いっそなくしてしまえば楽なのか?
まだまだ終わらない。
早く終わらせたいけど、
少しずつしか進まない。出来ない。
王子にも少し手伝ってもらいながら。
ごめんね、王子。
王子だって悲しいのにね。